トウヤのホムラ (富士見ファンタジア文庫)

著/小泉八束 イラスト/海苔 富士見書房 富士見ファンタジア文庫
ファンタジア長編小説大賞<準入選>作品。神さまとして生まれた少年が訳あって封印されていたけど訳あって解放されてなんやかやする話。
全体的に無駄が多いです。第二章はもう必要なかったんじゃ。第一章の昔語りもちょっといきなりそんなことされても、いかにも設定説明という印象。しかも決定的に関わるようなものでもなく。誠慈もいかにも続刊のための登場人物なのに物語への関わりが半端に多くてページを浪費しています。もっと関わらせるか、もっと扱いを低くすべきかと思います。莉柘も出した意味が謎です。戦闘はいまいち。
構造は先に発売された「約束の柱、落日の女王」に大きく劣ると思いますが、主人公の思いや神と人との関係がしっかり描写されていて、そのあたりの物語は楽しいです。安易に和解しなかったところにも好感が持てます。